釣り雑誌取材 第7話 -大雨上等!生口島茗荷港で一晩中-

6月11日。この日は雨天。
天気予報どおりだ。

この日、友人Kと友人Sからメールが届いた。
二人とも各々の事情で参加不可とのこと。

残念だが仕方ない。友人Kにはここ連続で日にちが変わるまで付き合ってもらってるし、友人Sは仕事がハードで残業の日々なのだ。
ここいら辺りで中休みを取ってもらわないと、彼らの家族にも申し訳ない。

今までは、目立ちたいぜ!と言ってやる気満々だった友人Kと友人Sに釣果と出演はお任せして、自分はライター兼カメラマン。
いわば、雑誌に華々しくデビューじゃー!という「みんなで取材を成功させようぜ!」のサポートを意識していたわけだ(ま、わし本人としてはあんまり目立ちたくないし…)。

しかし、今回は否が応にも「自分でどうにかする」ことを意識せざるを得なかった。


ともあれ。
今日の釣行は一人。しかも雨天。

思いっきり条件は不利だが、逆にこの日ならではのアドバンテージがないものか?
そう考えたときに思い浮かんだのが茗荷港。

件の人気スポットもさすがにこの大雨では(地元釣り師がメインなので)誰も来んじゃろうし、潮通しの良さを考えると、水潮にもなっていないだろう。
地形チェックOK、只者ではないエギンガーさんにも情報をもらっている。ここの釣り場を独占できたら、なんとか出来るハズ・・・。

よし、茗荷じゃ!ここで結果を出してやる!
こうして、今回の取材初の単独釣行となったのでした。


雨天釣行in茗荷港

午後7時過ぎ。生口島茗荷港に到着。
折からの大雨で、波止には誰もいない。まさに狙い通りの展開。

ってーか、この状態で誰か先客がおったら、ワシ、本気で凹んでると思う(笑)

ともあれ、雨の茗荷港を写真に収め、道具の準備をする。
エギングタックルの他には雨ガッパ。クーラー、スカリ。

カメラ用の三脚(持ってない…)以外、一人での取材に必要なものは揃えた(ハズ。笑)。


先ずは状況をチェック。ベイトの有無、浮きイカ、濁り具合、潮流はどんなじゃろう。

良く見るとベイトは多数、イケそう(^^)シーバスと思しき魚も泳いでいる。
やはりここは魚影が濃い。しかも狙い目が絞りやすい。地元の人たちが通い詰めるのも納得がいく。

雨の日とは言え、ここを独占できたのは美味しい。
これなら・・・。


まずは先日チェックしておいたポイントを攻める。
が、アタリは無い。まあ、じっくりと攻めていくか・・・。

そうやって湾内をくまなくチェックしていると、スルメイカが回遊してきた。
こりゃあええわい。と、タモで掬ってゲット。ビールのアテにピッタリじゃあ(^^)

ともあれ、シャクリながらもスルメが回遊してきたらタモでゲットするという、人気スポットの湾内を一人で心ゆくまで好き勝手するという、普段ならあんまり考えられないような贅沢な時間。

しかしながら、本来の目的であるアオリイカは全くヒットしてこない。
まあ、遊び事をしながらのことなので、確率が落ちるのは否めないが、ボトムを徹底的に叩いてもコウイカすらヒットしてこない状況というのはさすがにキツイ・・・。

そうこうしていると・・・。



友人Sからの電話。そして・・・

友人Sが電話を掛けてきた。
大雨じゃねえ。今日も取材なん?と聞いてきたので、そうよ〜、茗荷でシャクっとるでえ。と返事。

うわ〜、こんな中シャクっとるんじゃ・・・。で、釣れとるん?

それがまだ・・・(^_^;)
そうなんじゃ。まあ、せっかく竿を出しとんじゃけえ、がんばってね。

ほいほい、ありがとさん。がんばるでえ(^^)


そんな会話をし、さてまたおっぱじめるか。と、シャクる。

そしてアタリがないまま30分ほどシャクっていると、波止に車が到着した。

お?こんな大雨の日に釣りしに来るなんざ、どこの釣りバカじゃ?
ま、人のことは言えんけど(^_^;)

などと思っていたら、車から降りてきたのは友人S。
明らかに釣りをする格好ではない。って言うか部屋着。さっき電話していた状態からそのまま来た、そんな感じ。

意外な訪問に思わず、どうしたん?と聞いてみると、
はい、差し入れ。とコーヒーをくれる友人S。

それで、ここのところ仕事が忙しくてどうにも釣りをする余裕がないんよ。
と申し訳なさそうに言うが、無論仕事が優先。その点に関して言う文句なんて、全く持ち合わせてない。

って言うか、陣中見舞いの為だけに、橋代使って、ガソリン代使って来てくれたことに猛烈に感激(ToT)
普段クールで物静か。なかなかのマイペースエギンガーなだけに(人の事は言えんが。笑)、その心遣いが余計に琴線に触れたのだった。

この日は結構肌寒い日。寒さの限界が来るまで(薄着だったのだ)ずっと話し相手になってくれた友人S。
彼の強力なサポートのおかげでかなりMPが回復。再びサクサクっとシャクリ始めたのでした。


この日の釣行は「自分でどうにかしないといけない」状況。

しかしながら友人Kからの頻繁な応援&釣果確認のメール。
(この日が取材とは)知らずに電話を掛けてきてくれた広島銀麗会のO江会長は「一休ちゃん、今日も釣りしょーるんの?頑張りょんじゃねえ。風邪ひかんようにしんさいよ」。
エギング寅さんも電話をくれた。

仲間たちの暖かい気持ちが、普段なら諦めてしまいそうな苦しいシチュエーションを「打破したい目標」に変えてくれたのだった。

そもそも、こんな大雨の日に釣行できるのは、エギング寅さんのおかげと言っても過言ではない。
以前の山陰遠征のときに「オリャー、雨ガッパ持ってないんか?ワシのお古で良かったらあげるよ。」

そう言って雨天対策グッズをくれたのだ。
彼にもらった雨ガッパが無かったら、この日に釣行することすら考えてなかったかもしれない。


なかなかアタリを引っ張り出せない苦しい単独釣行。

この日は「自分でどうにかしないといけない」釣行。
しかし一人で戦っているわけじゃない。ミラじゃないけど、1リットルでずっとシャクれそうな気がしたのでした。



ネタ(ブログ)の神様 またもや降臨

みんなの暖かい応援のなか、満潮の潮止まり直前の午後11時前。
狙いのシモリでの連続ハードジャーク〜カーブフォールで捨石にぶつけたところでアタリが!

よっしゃ!シャープに短くアワセを入れる。
すると、やっと待ちに待ったバックファイアが(^^)

少々弱め。コウイカではあったが、待望の1杯目。しかも狙って確実に仕留めたので、満足感はひとしおだ。

とりあえず撮影。釣ったコウイカはスカリに入れ、そしてすぐに同じメソッドで攻めると、またまたアタリ(^^)

揚がってきたのはコウイカだったが、なかなかの良型。
これもスカリに入れ、訪れた時合いをモノにすべく、ガンガンキャスト。

すると3投目にまたまたアタリ(^^)
またもやのコウイカだったが、狙いのメソッドで連続ゲットした「釣ったイカ」にかなりの優越感を感じずにはあれないオリャーだった。

潮止まり以降はアタリが無くなり、かわりに回遊スルメイカの数が増える。
そしてアタリがないまま、日にちが変わった頃、先日ここの波止でキロアップを釣り上げた、スラジャのおじさんが現れた。

スラジャのおじさんは相変わらずスラックジャーク連続メソッドでピンポイントを攻めまくる。

一方のわしは、スラジャのおじさんにいいポイントを分断される形になり(とは言ってもしばらくノーバイト。笑)、しかたないので仮眠を取って朝マズメに備えることにした。


そして午前三時前。
車のドアが開く音がしたので、外を見てみるとスラジャのおじさんが撤退するところだった。

また寝るには時間的に中途半端なので、そのまま朝マズメまでシャクることにした。

まずは件のシモリ周りを狙ってピンポイント爆撃。
しかしながらノーバイト。潮の流れが逆転していたこともあり、釣り座を手前側に変えてシャクる。

そうやってシャクっていると、空が白み始めた。
外灯下でのアタリが出なくなっていたこともあり、今度は外側を狙うことに。

まずは第1投。これは藻を拾ったので、すぐさま回収。
続いてのキャスト。このときにふと、そういえば今回は取材用の写真が極端に少ないよなあ・・・。
着底までの時間、朝マズメの風景を写真に撮っておくか。

そう思い、パシャパシャと撮影していく。

茗荷港の朝

そうしてたら、ふとした予感が右脳に直撃した。

「こうやって撮影してる間にアタリがあってバレたら、シャレにならんよね。笑」
そんなことを思いながら、足元まで丁寧にシャクリ寄せて、ピックアップ。すると・・・

エギに噛み跡ぐぁ!
うおおおおおおお!!!!ほんまにアタリがあったんかい!

エギング寅さんはそのブログの中で「釣りには神様がいて、神様はイタズラが好き」(参考ブログ記事エギング寅さん 釣りの神様)
と書いておられてですが、まさにその通りの事態が起こってしまった(笑)

しかしながらこういった事はよくあること。
特にオリャーのように四六時中ブログのネタを探している人間になってくると、神様のイタズラが起こる前兆がなんとなく分かってしまう。

こういったイタズラに凹んで、後々までグチグチ言うような小さいエギンガーではイヤなので、ワシはこのイタズラを「ネタ(ブログ)の神様が降りてきた」と言って感謝するようにしている。

しかしながらオリャーが目指しているのは最強エギンガーなのであって最強エギングブロガーではないので、今回みたいにどうしても釣果が必要なときは、ネタの神様が降りてくる前にしっかりイカをゲットせねばならんのじゃけどね(^_^;)



やはり只者じゃなかった!

そうやってシャクること3時間。
波止はお日様の光に照らされ、外灯はその役目を終え、眠りにつく。


仕事の時間が刻一刻と近づく。しかしながら波止からは気配が薄まり、小型の魚たちがのんびり遊泳する様子になってきていた。

1杯。1杯だけでいいのに・・・。
この状態で釣り上げたら、まさにメイクドラマなんじゃけど・・・。

気配が無い中、それでも集中力をフル動員してガンガンシャクる。

そして6時半。もう帰らないといけない時間。
釣れるかどうかは分からん。しかし、これがラス投。
オリャー!とエギをぶん投げる。


着底後、ハイアピール&デッドフォールの春イカ攻略スタンダードメソッドで攻める。
そして潮流を味方に付けるべく、ドリフトで潮の境目を狙い撃ち。

一回目のハイアピールが終わり、次のシャクリに入ろうとしたその時。

「にいちゃん、釣れたか?」不意に声を掛けられた。
生口島方面で、気軽にオリャーのことをにいちゃん!と呼んでくれる人っていたっけ?

そんなことを思いながら声の主を見てみると、先日垂水港で出会った只者でないエギンガーさんだった。

なんちゅうタイミングで現れるんや!?とビックリしながらも、今日はコウイカ3杯だけでした。
これで1杯だけでもアオリイカが釣れたら、取材は完了なんですけど。と状況を説明した。

すると、そうかー。厳しいなあ。コウイカだけじゃあダメなんか?他の魚だっておるじゃろう?
と、言ってきた。

そして、只者ではないエギンガーさんにそう言われたことで、初めて気が付いた。

昨日、すべり止めでメバルに挑戦したが、イカ釣りしか能が無いオリャーに取材の依頼をしてきたと言う事は、本土エギンガーさんが欲しいのは「しまなみ海道のアオリイカの記事」なのだ。
だから、只者ではないエギンガーさんに包み隠さず昨日のメバルの失敗。自分にはエギングしか能が無いこと。各島を渡り歩いてきたが、どうにもこうにも釣り上げれなかったことをカミングアウトした。

それを聞いた只者ではないエギンガーさんは、自分の正体がやっぱり只者では無いことを告げ、今期アタリがシブいしまなみの中でも、可能性が高い場所。そしてそこの攻略ポイントを教えてくれた。

そして只者ではない人間しか分からない話をいろいろと教えてくれ、その日の釣行を終えたのでした。

最後、撤収時にもし良かったらコウイカ食べませんか?と聞いたところ、
いや、わしは釣ったからいらないよ。とのことだったので3杯ともリリース。

と、言うのも取材成功で撮影時にイカがいる状態のとき以外は、今回は全てリリースしているのだ。

煮付け用のスルメイカだけを脇に抱え帰路につく。
しかしその足取りは決して重いものではなかったのだった。



只者ではないエギンガーさんが教えてくれたこの場所こそが・・・。

続きはこちら→第8話 エギングが嫌いになりそうじゃあ!!!

茗荷港で釣れたコウイカ

この日茗荷港で釣れたコウイカ。
エギはダートマックスパープルボーンゴールド4号シャロー。ちなみにネタの神様を呼んだのもこのエギ。