10.5.02 中潮
銀麗会の5月親睦会で同磯した、O光さんに教えていただいたことを書き連ねていきましょう。
おおまかな流れはブログの銀麗会の5月親睦会で書いたので、割愛します。
5月親睦会、O光さんの鬼フカセ塾! ポイント選定編!
まず、ポイントに到着してすぐ、ここはええポイントじゃ。
と言うO光さん。
ええ。なんか釣れそうな雰囲気がしますよね。
護岸の角は結構好きなポイントなので、そう答えるワシ。
が、O光さんのポイント選定は好き嫌い云々だけではなく、その時の広島湾の釣況、水温などから導き出した推論があったのだった。
ちなみにこの時の広島湾は、全体的に思わしくない釣況だった。
どうやら時期外れの長雨により、水温の上昇が妨げられているのが原因らしい(多くの河川を擁する広島は、雨量による水温の影響を受けやすいポイントなのだ)。
具体的に言うと、例年のほぼ1ヶ月遅れで釣況が推移している。
上記を踏まえた上で。
「朝日が当たるじゃろ?こういうポイントは他の場所より早く水温が上がるから、有利なんで。」
とO光さん。
へえ、そういうモンなんですか。
そう答えつつ、そういえば昨月の根魚小学校に入磯したときも、O江さんは「東側に仕掛けを流しんさい」って言ってたよなあ。
正直言うと、真正面から太陽の光を受けるシチュエーションは、ちょっと目を離すと一瞬でウキを見失ってしまうので、苦手である。
夜目は効かないし、光にも弱い。ワシの目はメラニン色素とアントシアニンが足りなすぎるものと思われる。
ともあれ。
このポイントは沖に牡蠣筏があり、そこに居ついている個体がいる可能性。また、筏があればその水深に伴うブレイクがあることも予測できる。そして奥にウィードエリアを擁した砂地の湾、足元に捨石、潮通しも抜群な上に本流と支流が交差する各溜まりも出来やすい。
そういったシチュエーションから、O光さんはここを絶好のポイントとにらんだワケなのだ。
5月親睦会、O光さんの鬼フカセ塾! エリア構築編!
「にいちゃん。それじゃあいけん!同じところに流す。同じところに撒き餌を打つ。基本中の基本じゃ!」
エギングは場所を狙い撃つ釣り。一方フカセはエリアを構築し、おびき寄せ、寄せたチヌを逃がさないよう楔を打ち込んで釣果を上げる釣りらしい。
「なるほど。エギングが戦術なら、フカセは戦略なんですね!」
「にいちゃん、難しいこと言うのう。とりあえずそうやってチヌを集めりゃあええんよ。」
難しい言葉を使わなくても、チヌはフツーに釣れるみたいです(^_^;)
5月親睦会、O光さんの鬼フカセ塾! 半誘導職人編!
どうにもこうにも、チヌの食ってくるタナが分からない・・・
仕方ないので、全誘導で仕掛けをスルスルと流してみる。
「最近はみんな全誘導全誘導ゆうて、スルスルばっかりじゃ。確かに釣れる。じゃけえ、するんじゃろうけど、実際にいちゃんは刺し餌がどこに行ってるんか、分かってやっとるんか?」
「いや、正直分からないです。でも、当たってきたらおおまかにはタナがわかるんで・・・」
「まあ、そうよの。全誘導は魚(の位置)に合わせる釣り方じゃけえの。確かに釣れる。じゃけど半誘導はチヌの方に合わさせることが出来るんど。もちろん、それまでには何回も釣りに行って経験を積まにゃあいけん。じゃけど、チヌに合わさせて釣ったときの面白さはないど(^^)」
クロダイ寅さんもそう言っていた。全誘導をするのは、半誘導を極めてからの方がいい。タナが掴めなければ、たとえ獲れても『釣れてたチヌ』じゃ。
確かにその通りだと思う。思うのだが・・・
ただひたすらに釣れない時間を過ごすのは辛すぎる。
半誘導だと、タナを探り当てるのにも時間がたくさん掛かりそうな気がするし・・・
物事には順序がある。まずは半誘導からじゃ!
そんな殊勝なことを思っていたのは、今は昔。今はワケも分からないまま、自分なりのマッチザシチュエーションで、全誘導仕掛けを流したりしている。
しかし。チヌの方に合わさせる。という考え方は面白いと思った。
そう考えながらだとがんばれそうな気がしてきたのでした。
5月親睦会、O光さんの鬼フカセ塾! 釣りのこころと醍醐味と
「こういう(潮の)流れのときは足元がええんで。」
たしかに釣れそうな気がする。これがエギングやメバルの探り釣りなら、迷わず足元に投下し、ネチネチと攻め上げることだろう。
しかしながら、あの用心深いチヌがこんな目が合いそうな、直下で本当にあたってくるんじゃろうか?
そう思っていたので、躊躇していた。
するとO光さんは、そのポイントへ仕掛けを流し、次から次へと釣りあげていく。
にいちゃんもやってみ。
とおススメされ、直下のポイントへ仕掛けを投下し、最後の撒き餌を打つ。
すると・・・
ウキがすーっと沈んだ。
クイクイと引っ張られた感じ、30ちょっとの小型っぽかったが、残念ながらバラシ。
が、しかし。
「どうね?推理して、狙ってみて、当たったら最高に面白いじゃろ(^^)」
「はい。すげえ楽しいです(^^)」
バッカンの底をさらうようにして撒き餌を集め、再び開始しながら、本音をポツリと漏らすワシ。
「正直、今までフカセってそこまで好きじゃなかったです。イカと違って、(チヌは)あんまり美味しくないし、人にあげても喜ばれないし。
準備が大変な割には、釣れたときの喜びがあんまりなくて。フカセしながら、メバルやアジが釣れた方がうれしかったり。」
「確かにあんまり美味しい魚じゃないわのぅ。でも、料理の仕方ひとつで随分違ってくると思うで。それに、もうチヌの面白さが分かったじゃろう?」
「はい(^^)なんかいい感じです。」
「そうか。そんなら良かった。まあ、いろんな人がおりゃあ、考え方だっていろいろじゃ。でもの、ワシは釣りを面白くするんは自分。つまらなくするのも自分。そう思うんじゃ。(人生)全てがそういうもんじゃろう?」
この後、迎えの船に乗り、宇品へ帰港。
自分を充実させるのは自分。不満にさせるのも自分。釣れたチヌはたったの1枚。
しかしながら、いろんなフカセ理論と技術。なによりも心と醍醐味を得て、因島へ帰島したのでした。