\n"; ?> エギング知識応用編 -敵を知り水温を知れば、百戦中十戦は危うからず-

敵を知り水温を知れば、百戦中十戦は危うからず

海の生き物の生活環境を大きく左右するもの。
それはずばり、潮と水温でしょう。

もちろんアオリイカとて例外ではありません。
エギングをするにあたって、潮の干満、潮の大きさ。これらは当然、ダイレクトに釣果に影響してきます。 そしてもうひとつの項目。

今回は水温に着目してみましょう。

低水温が苦手なアオリイカ

エギングシーズン終盤の8月と12月は、細かな水温チェックが必須です。
12月以降は、水温が16℃を割ったらかなり厳しいですし、15℃前半だと、ほぼアウトですから。

こういったチェックをしておくと、無駄なシャクリ時間が減り、効率よくラン&ガンする目安になると思います。

さてさて。 当然、水温は刻一刻と上下しているわけですが・・・ これまで、自分の釣行や人が釣り上げた時間帯、時合いに入った時間帯を、水温&時期という項目で振り返った場合、奇妙な一致があるんですよね。

言うなれば、時期によってアオリイカが釣れやすい水温がある。と言ったところです。

アオリイカは、ぶっちゃけ寒いのが苦手です。寒さに震えるよりは、ちょっと暑いくらいの方がまだマシ! という生き物です。
総括しますと、16℃くらいなら活動可能水温です。これが15℃くらいになってきますと、嫌がって水温が高いところに逃げて行きます。
そして14℃くらいから、生態活動そのものが鈍くなり、個体によっては死滅してしまいます。 これが13℃になりますと、ほぼ死滅します。12℃ですと、どんなに強い個体でも生存は不可能だそうです。

じゃあ高い水温は?

生息区域という点で考えますと、アオリイカは赤道直下にもいるそうです。むしろ南方系の生き物と考えた方がいいいのかもしれません。
こんなアオリイカですが、だいたい30℃くらいになると逃げ出し、32℃で死滅するそうです。 上記を目安に、アオリイカの1年を追っていきましょう。

春になって産卵の為に接岸してくる時期。目安は大方16℃です。 沿岸部がこれぐらいの温度になって来始めたら、いよいよ春アオリ攻略シーズンとなってきます。

ただ16℃くらいでしたら、沖を狙った方がいいでしょう。いよいよシーズンインですが、まだまだシーズンインしたばかり、とも考えれます。

そして新緑が美しくなり始め、ポカポカ陽気になり始めたちょうど5月の大型連休の頃。しまなみ海道では、だいたい水温は20℃くらいのハズです。 これ位の水温からが、春イカのハイシーズンです。

そして6月・・7月・・・8月。6月の水温は平均水温は22℃。そして親イカ最終時期の8月には26℃くらいになります。


秋のアオリイカ

さて、今度は秋イカの生態を水温から考えてきましょう。
夏真っ盛り、稚アオリと呼ばれる小さいアオリイカたちが沿岸部で順調に育っていっています。世代交代の時期です。
そして、半そででは少し肌寒くなってきた9月中ごろ辺りから、秋イカが釣れ始めます。シーズンインです。この頃の水温は24℃くらいでしょうか。
ハイシーズンのまま10月、11月と推移していきますが、12月になり、水温が18℃を割ってきますと、極端に食いが渋ります。

そして水温が16℃を割り始める12月中旬頃、沿岸部の主役は甲イカに代わり、アオリイカは水温が安定している沖の深みに落ちていくのです。


しまなみ海道水温データ

ここまでアオリイカの生態の復習に付き合ってくださってありがとうございます。ガマン強くここまで読んでくださった方の為に。

場所の目安が因島の北と東限定という、狭い範囲。加えて2007年6月と7月のデータしかありませんが、発表します。

6月前半から20日頃にかけて、最もアタリが集中している水温は23度強くらいです。 具体的に,
晩7時から12時までの間の水温の変遷を考慮した上で考えますと、その日の最高水温〜下がり始めた時間帯。
この時間に時合いが訪れたり、アタリがあった!釣れたという話が集中しています。

6月終盤から7月半ばにかけても、やはり23度強くらいです。ただ、この時期になってきますと24℃を越えていた水温が23℃台に下がり始めた頃にアタリがあるみたいです。
7月後半から8月にかけては、エギングシーズン終わり始めということもあり、他の人の参考になるデータが少ないです。
ただ、その少ないデータから搾り出しますと、25、26℃から24℃台に下がって、安定し始めた時間帯っぽいです。
毎年、この水温で釣れるという保障は全くありませんが、時期によって、アタリが集中した時の水温がほぼ同じだった。というのは、面白いデータだと思います。 ひとつの目安になるのではないでしょうか?

水温を調べておいたら、絶対釣れる! なんてウソくさいことは言いませんが、「状況を解析する」という視点で見れば、爆釣の一助になる要素を十分に持っている。 そう思います。

今後の調べた結果は、折を見て発表予定。乞うご期待!


大浜灯台資料館

因島大浜崎にある、大浜崎灯台資料館
日本で唯一現存する、木造の灯台資料館。文化財にも指定されています。