潮汐表と天気予報を活用しよう

潮汐表。または潮見表と呼ばれる小冊子をご存知でしょうか?

この小冊子には、太陽暦(現在の日付)と太陰暦(旧暦)、月の満ち欠けとそれに伴う潮回り、干満潮の時間帯とその潮高が記載されています。

今回は、この潮汐表に記載されているデータを活かすための、基礎知識に触れていきましょう。

満潮と干潮

まずは満潮と干潮について考えてみましょう。

満潮は、海水の高さが上昇して、一日のうちで潮が最も高い状態。
干潮はその逆で、海水の高さが一日で最も低い状態のことを言います。

瀬戸内海は、島国日本の中で、最も干満潮の潮位差があります(その差は最大で3m50cm強にも及びます)。
それは潮が良く動いていることであり、同時に潮の速さが激しいことでもあります。

加えて、海の生物の居着き場所が、刻一刻と変化しているとも考えられます。

しまなみ海道沿いで釣りをする場合、事前の情報では最高のポイントと言われていても、
(干満潮の潮位差が原因で)満潮でないと全く釣りにならない場所や、逆に満潮だとポイントそのものが海の中に沈んでしまう場所もあります。

たとえ実績場にマズメ時に入釣しても、干満潮を無視した釣行であれば、ボウズを踏むことすら有り得ます。
事前に干満潮の時間帯を調べておくことは、しまなみ海道で釣り(や、潮干狩り)をするに於いて、基礎中の基礎と言えます。


潮回りと天体

地球は自転と公転をしています。
これは小学生の時に習ったハズ(まだそこまで習ってない小学生、スマヌ)。

一日一回転、自分でグルグル回転しながら、太陽の周囲を一年かけてぐりぐり周っているアレですね。

この自転と公転。これに加えて、月が地球の周囲をぐりぐり周っていることが、干満潮とその大きさに影響してくるのです。

簡単に言うと、太陽の引力と月の引力に海水が引っ張られ、地球がグルグル回った遠心力に押し出される形で、干満潮は起きるのです。
決して海水が減ったり増えたりしている訳ではなく、これらの力で地球上の海水を、あっちにこっちにと動かしているわけです。


さて、潮回りというものに触れてみますと・・・

月というものは、大体15日で新月から満月に移行し、その後の15日で新月に移行します。
新月から満ちていき、そこで出来た半月を上弦の月。
満月から欠けていき、そこで出来た半月を下弦の月と言います。

※新月から上弦の月にかけて、潮(干満潮差)は小さくなり、その上弦の月から満月にかけて潮は大きくなります。
そして満月から下弦の月にかけて再び潮が小さくなり、下弦の月から新月にかけて潮は大きくなります。

上記ののサイクルのことを「潮回り」といいます。

なんで新月と満月の時は潮が大きいのか。
それは、その時の太陽と地球と月の天体配列が直線だからです。
太陽と月に挟まれる形で、目一杯海水が引っ張られる満月のとき。こんな感じ→満月
太陽+月の引力に海水が引っ張られ、遠心力でも海水がグイグイ外に向かう新月のとき。こんな感じ→新月

潮汐表に書いてある具体的な表記方法とサイクルを書きますと
大潮が4日(新月で、旧暦の各月第1日)→中潮が4日→小潮が3日(上弦の月)→長潮が1日→若潮が1日→中潮が2日→大潮が4日(満月)→中潮が4日→小潮が3日(下弦の月)→長潮が1日→若潮が1日→そして新月。
この旧暦の30日に沿ったサイクルの繰り返しになります。
ちなみに旧暦で一ヶ月が29日しかない月は、新月の大潮が3日間に減っています。


釣りや漁業というものを潮回りに当てはめてみますと、
一般的には大潮(GOOD)→長潮(BAD)といった感じで、潮の大きい順に魚の活性が高くなると言われています。
「長潮は漁師も嫌う」という格言があるくらいです。

しかしながら、しまなみ海道周辺では常時この法則が当てはまるわけではありません。

大潮の激しい潮流が逆に流れる前の潮止まりに、怒涛の時合いが訪れたかと思えば、
10分後に潮が再び流れ始めた瞬間、ピタッと釣れなくなった。
長潮で、潮がトロトロと動きだしたら釣れ始めた。しかも潮が再び止まるまでの約2時間、激しい食いではないものの、ゆっくりとした長い時合いが続いた。

こういった話はザラにあります。管理人は、長潮の次にダメじゃと言われている若潮で13投中13ヒット(13連続バラシ。笑)という体験をしたことがあります。

釣りというものは、竿を出してみないと分からないこともあります。
上記のような一般的な基礎知識と、自分自身の釣行で培った経験をミックスして生まれた、独自の戦術こそが爆釣の助けになることでしょう。


太陽暦と太陰暦

管理人の知り合いに、「毎年1月某日は、休みを取ってでも絶対あそこの釣り場に釣りに行く。」
という人がいます。

なぜかと言うと、数年前の1月某日の夕マズメに、とある釣り場でそれはそれは結構な美味しい目を見たからじゃそうです。

この考え方と発想は正しいです。
しかしやり方が間違っています。

例を挙げて2005年2月9日の設定で説明しますと、(基準は尾道港に設定してあります)
2005年2月9日は、新月の大潮。満潮は11:57と23:28。干潮は5:13と17:52。
夕マズメが爆釣なら、ほぼ干潮の頃になります。

続いて2006年2月9日は、上弦後の中潮1日目。満潮は9:25と20:33。干潮は2:01と15:33。
夕マズメを攻めると、干潮からの潮上がりにかけての釣行になります。
2007年2月9日は、下弦の月1日前の小潮。満潮は2:52と14:40。干潮は8:42と21:10。
夕マズメは潮上がり5分といったところ。
2008年2月9日は新月後の中潮1日目。満潮は12:44。干潮は6:15と18:49。

はっきり言って、共通点はほぼ見つかりません。そう、やり方が間違っているのです。


じゃあ、なんで考え方や発想が正しいと言っているのか、ちょっと着眼点を変えて説明してみます。

上記のように、現在我々が日常使用している太陽暦で釣りを考えた場合、どうしてもこういったズレが出てきます。
エギンガー(まあエギンガーだけでなく、釣り人全般)として注目すべきなのは、
月の運行で一年を著している太陰暦の方なのです。

具体的に2005年2月9日の夕マズメを、太陰暦で表記してみますと(上記同様、基準の港は尾道港です)
旧暦1月1日で新月の大潮。満潮は11:57と23:28。干潮は5:13と17:52。夕マズメはほぼ干潮。
もちろん上記と同じですね。

次の年の旧暦の1月1日は、2006年1月29日です。
旧暦で考えると、釣行する日時に約20日のズレがあります。しかし、注目したいのは・・・
満潮11:29と22:47。干潮4:32と17:23。夕マズメはほぼ干潮・・・。
昨年の条件とほぼ一致します。

では次に訪れる旧暦1月1日は、と言うと・・。
2007年2月18日、満潮11:57と23:43。干潮5:22と17:58。やはり夕マズメはほぼ干潮の潮止まり。
次の旧暦1月1日は、2008年2月7日。
満潮11:47と23:19。干潮は5:05と17:43。この日の夕マズメもほぼ干潮です。

以前の確かな釣行データを踏まえているならば・・・。
季節。そして月の運行による潮の大きさと、干満潮の時間帯。これらの条件が一致した上であれば、潮の微妙な流れであるとか、食い気が起き易い確率もそれなりに高くなる。そう考えて差し支えないと思います。

海の生物全般にいえますが、それらが潮や太陽の昇降、月の満ち欠けに強く影響されざるを得ない以上、以前、食い気が立ったシチュエーションは、今度も食い気が経ちやすいシチュエーションであると考えるのが妥当である。そういうことです。

釣りをするに於いて、以前の釣行データは、次回以降の釣行時に大いに助けになります。
しかしながら、管理人の知り合いのように、行くと決めれば仕事を意地でも片付けて必ず釣行する。
大切なのはこういった「行動力」ではないでしょうか?

行動力と知識のバランス。常に心掛けていきたいものです。


先人の知恵の結晶である潮汐表。これらのデータは釣り人の基本データであり、爆釣と上達の羅針盤だと思います。
釣りに行く際には、潮汐表に一度目を通すことをお勧めします。


ことしまなみ海道周辺では、根魚は潮で釣れ!とおっしゃる方もいらっしゃいます。
どういうことかと言えば、旧暦云月云日何時に良型の根魚がどこそこのポイントで釣れた。
のであれば、次の年の旧暦同日同時刻に、同ポイントで同じくらいの型の根魚が釣れる可能性が高いと言うことです。

これは・・・基礎戦術どころか、裏技ですね(汗)
こと、幻の魚と言われるアコウ(キジハタ)などは、この法則が当てはまりやすいと言われています(サービスしすぎかなあ?笑)。


天気予報見てる?

上記に加えて、天気予報で風の方向と有無、波の高さを調べておきましょう。
と、言うのも風が強い、波が荒いと言った条件が重なると、干満潮の時刻が少しずれ、ポイントなども多少ずれるからです。

去年のデータを基に釣行したが、全然釣れん!と言う前に、その日その時の状況も踏まえた上で独自の戦術を立ててみて下さい。

ともあれ、天気予報、風、波の高さを事前に調べておけば、
風裏をチョイスしたり、荒波にもまれない場所でのエギングが展開できたりしますので、釣行の際にかなり有利になります。


先人の知恵とその日の状況。これらを知った上で釣行する。
ザッとでいいので知っておけば、釣り場でのゲーム展開が有利になること請け合いです。