\n"; ?> エギング技術応用編 演技演出プロデュース

演技演出プロデュース

エギは生き物ではありません。
もちろん食べ物でもありません

あ・・バカにしてるわけでもありません(汗)


突然ですが、「泳がせ釣り」という釣りをやったことがあるでしょうか?

ない。知らねー。
という方の為に、ざっくばらんに説明しますと、
泳がせ釣りは、活きた魚(アジやイワシ)を餌にして、普段そいつらを食べているフィッシュイーターを釣っちゃおう!というジャンルです。
アオリイカ釣りに於いては、ヤエン釣りがこの泳がせ釣りに該当します。

巷でよく聞く話に、「ヤエン釣り師とエギンガーが同じポイントで釣りをしたら、まずエギンガーに勝ち目は無い」というものがあります。

この話、分かる気がします。
私も何度か泳がせ釣りをしたことがあるのですが、活き餌の動きを見てカルチャーショックを受けました。この動きはとてもじゃないですが、エギには表現し切れません。

このことがあってから、作り物のエギをどう動かせば魅力的に見えるのか?を考えるようになりました。

人間の立場で言うなら、「うなぎの蒲焼を焼くあの匂いに、食品模型で勝負を挑む」「七輪の上で、グツグツ・・グツグツ・・いい音をさせながら、序々に口を開いていくホタテ。それと食堂の入り口に飾られた食品模型と、どちらがお客さんに魅力的に見えるか?」
こう例えれば、作り物のエギと活きた魚の集客力(集イカ力?)の差が、なんとなく分かるのではないでしょうか?

考えてみれば、ちょっと不利な条件のエギ。
今回は生き物でも食べ物でもないエギを、どうやって美味しくプロデュースするか。
そういったことに触れていきたいと思います。


波止のシャクリ舞台

アオリイカを始めとする、いわゆるフィッシュイーターたちは「リアクションバイト」と呼ばれる本能に基づいた捕獲動作をします。
します。というより、「してしまいます」

生き物でも食べ物でもない、作り物のエギでアオリイカを釣るために、エギの動かし方に一工夫加えることによって、意図的に「リアクションバイト」を誘発することは、エギングにおける重要なキモのひとつです。
そして、それはキモであり、且つエギングにおける楽しさであるとも思います。

リアクションバイトを誘うために、エギの動かし方に加える一工夫。
そのひとつは「演技」です。

演技とは本来、「役を演じて見せること」、そして「本心を隠して相手を騙すこと」のことを言います。
ピン!とエギンガーセンサーが反応しませんでしたか?

そう。リアクションバイトを誘発するための演技とは、
それはエギが「アオリイカに食べられるベイト」を演じること。
なによりも、釣ってやる!の本心を隠して「アオリイカから逃げる」演技をすること。

各釣具メーカーがプロデュースしているエギは、「アオリイカがつい手を伸ばしたくなる動き」をするように出来ています。
普通にシャクれば、ベイトがアオリイカに追われた時の動きである「パニックアクション」が起こります。

これに加えて、「逃げる動き(フォールや水平リトリーブ)」「障害物に隠れる(ボトムステイ)」や、「隠れながらの場所移動(ズル引きやトゥイッチ)」、そしてその他諸々を組み合わせて、
「あなた自身がエギ(魚)になったつもりでシャクり、アオリイカから逃げ切れなかったエギを演じる」ことなのです。


具体例を挙げます。べ()はベイト、ア「」はアオリイカの脚本です。

1.着底。  べ(隠れているベイトが・・・)

2.2段シャクリ。  べ(餌を見つけて、思わず飛び出した。) ア「ん?なんやアレ?」

3.カーブフォール。  べ(うわ、アオリイカがおる。逃げよ・・・。) ア「餌か?ちょっと確認しに行こ。」

4.ズル引き&トゥイッチング。  べ(見つからんように、隠れながら逃げにゃあ。焦(;><)) ア「餌っぽいな。食べたいけど、大丈夫なんかな?どうしよ・・・」

5.グラインディングジャーク。  べ(うわ!見つかった!助けてー!!)←混乱しながら一気に逃走。  ア「うわ、待て!考えまとまってないっちゅうねん!」←思わず追いかけたことで、興奮気味のアオリイカ。

6.フリーフォール。  べ(あ、あそこじゃ!あそこの捨石に隠れよ!)  ア「待たんかいコラ!逃がさへんぞ!」

7.ボトムステイ。  べ(ここなら大丈夫じゃろ・・・)  

8.アタリ。  ア「バレとるでえ〜。追い込まれたとも気付かずに、ええ気なもんや〜(^^)」

9.フッキング&取り込み。  ア「ありゃ?こいつ餌ちゃうやん!助けて〜(墨)」


こんな感じです。ちなみに5がリアクション的な反応です。
ま、ここまで学芸会っぽい演技はしなくてもいいです(管理人は大好きですが。笑)。大切なのは「魚になったつもりでエギを動かすこと」

魚になったつもりでエギを動かしますと、シャクリパターンが無限に広がりますし、新しい技がポっと生まれたりします。

そうやって、色々な演技のパターンを組み合わせて、アオリイカが釣れるまでの一連の動作を演出するのです。
そして、いろんなパターンを試すうちに効果が高い黄金パターンや、シブいときにいち早くヒットパターンを見つけ出すためのメソッド(演出方法)が確立したりします。

こうやって自分自身でプロデュースして手に入れたメソッドは、知識ではなく、感性の部分の経験値として蓄積されていくことでしょう。
言うなれば、傍から見れば「シャクリパターンに一貫性がないエギング」に映りますが、実際には多彩で変化に富み、柔軟に状況に対応できているエギングと言えます。


ある程度シャクリが上手になってきたら、
ベイトになりきる名役者。そして、アオリイカを釣り上げるまでの舞台をプロデュースする演出家になることを意識してみてはどうでしょうか?

演技演出プロデュース。
あなたのエギングが1歩前進すると思います。是非是非試してみて下さい。
あと、いい脚本が仕上がったら、コソッっと私にも教えて下さいね♪


蛇足ながら・・・一応、入れ物には表示されていませんが、エギは食べ物ではありません。食べないでくださいね(そんなヤツいねーよ・・・)。